オレ、この小説好きだな。

ビフォア・ラン (幻冬舎文庫)

ビフォア・ラン (幻冬舎文庫)

重松清さんのデビュー作にあたるそうな。かっこ悪い青春、とBOOKデータベースにあったけれど、ほんとそう。ちょっと川島誠さんなんかを思わせる題材。でも、この書き手以外ではありえない展開、エッセンス満載。不器用な男の子が書いているような。好きな小説だった。

あとがきによると、作者の重松氏はあまり自分の書いた(世に送り出した)本を読み返すことがないタチだという。でも、作ってから11年、デビューして7年目にしてこの作品を再度読んでみて、彼も素直に『オレ、この小説好きだな』と思えたそうだ。どんな仕事でも、そう思える人って一握りのはず。10年後の自分に笑われない仕事、一緒に笑ってもらえる精一杯の仕事をしたいなぁ。